日本家系図学会の再建趣意書

日本家系図学会は昭和50年に発足して以来、わが国の系譜・家系の調査研究に関して、大きな役割を果たしてきましたが、その時々に応じて様々な変遷もありました。ときに閉会・再建の動きがあり、近年は丹羽基二会長・楡井範正事務局長のもとで着実に活動を続けてきたのは、皆様ご承知のことです。ところが、最近では、丹羽会長のご逝去、楡井事務局長など幹部役員の体調不全・多忙などの事情がいくつも重なり、実質的に活動を停止していた事情にあります。これはたいへん残念なことです。

こうした事態を憂いた有志が、先人の築いてきた系図研究の基盤と遺志を受け継ぎ、改めて新生の日本家系図学会として再建の途を模索したところ、これに賛同する皆様とともに、新たな一歩を進めることができる環境が次第に整ってきました。

そもそも、姓氏・家系などの調査研究は、総合的な歴史学の大きな基盤の一つをなすものであり、それとともに地域・郷土の歩みや先祖先人のすぐれた業績を明らかにするものです。
興味の対象として、こうした調査研究を考えても、高尚かつ健全な知的活動として、わが国の社会文化活動の分野において、大きな働きをするものです。太田亮博士をはじめとして多くの先達研究者や研究団体が残した文化遺産を後の世に伝えていくこと、現代の世にある埋もれた文化遺産や史料を発掘・評価し保存することは、現代に生きる者たちにとっての責務でもあります。
「三人寄れば文殊の知恵」ともいいますが、多数の人々が様々な知恵と知識を寄せ合えば、予想もしなかった大きな成果を得ることができることも多々あります。そこに研究団体の役割と活動意義があり、全国を通じる幅広い組織や連絡網の必要性があるということです。

私たちは、日本家系図学会を再建して新生の形で、従来以上に活動を進めていくべく、会則案を含めて、ここに皆様にご提案しますので、上記の趣旨を理解され賛同されて、是非ご入会いただき、引き続き調査研究などの活動をおこなっていただきたく、皆様に呼びかけお誘いする次第です。

               平成20年11月 発起人26名一同 代表 宝賀寿男


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